技術
画がないカメラ(動きベクトルカメラ)‥無視の目

動き情報撮像装置が特許登録(特許第7025073号)されました。
動き情報撮像装置とは動き輪郭情報から簡単な演算で、動きの方向や動きの速度を取得する方法に関する特許です。この簡単な演算とは差分信号、微分信号の論理積と論理和を取るだけなので、イメージセンサから直接動きベクトルの出力が可能になります。この回路図を添付図に示します。
露光時間の異なる一対の画素差分を取得し、静止画では差分出力がゼロになるように調整すると、動体の輪郭部分のみ差分出力が得られます。更に微分出力も取得し、差分情報と微分情報の論理和。論理積を取得すると動きベクトル情報が得られます。
従来この動きベクトルの取得は、イメージセンサから出力される膨大な情報量の画像情報を、リアルタイムで高速演算することが必要になり、膨大な電力が必要でした(カメラ開発会社社長談)。
今回の特許では上流側(イメージセンサ側)で、画素差分情報を基に動き情報を抽出し、この情報を基に論理和や論理積で動きベクトル情報を抽出しますので、イメージセンサ駆動+αの消費電力で、動きベクトル情報取得が可能となります。この動きベクトル出力イメージセンサは画が無いセンサとなり、”無視の目センサ”と呼ばれます。
この動き情報カメラ(センサ)は画素ブロック(例えば;10×10画素)の平均値で差分を取り、露光時間の異なる画素は隣接しています。このため虫の目の欠点であった、低感度・低解像度の問題は解消できます。(感度は100画素分の感度となります)
Human-Machine-Interface応用では、解像度も低くて済みます。文字通り、”無視の目”(動きベクトル)センサを用いると、”虫の目”の欠点の解消が出来ます。