技術
センシング勝負にするためには、イメージセンサ内で処理を簡単化することが必要です。啓蒙活動としてプレゼンしている資料からの抜粋でそのセンサの構造(特許図面より引用)を説明します。
露光時間の異なる2種類の画素の隣接画素差分をとることで、膨大な画像情報の大半を占める静止画の情報を大元から無くし(センサから出力しない)、動体の輪郭のみの情報にします。この輪郭から特徴点を抽出方法はアルゴリズムが必要ですが、大幅に情報量が減っているので、センサ内の回路で処理することも可能です。するとイメージセンサからは画が出ず、必要な情報のみを出すことができて、大幅に情報量は削減できます。
露光時間の異なる2種類の画素の隣接画素の加算をすると、高ダイナミックレンジな画像(スマホカメラのHDRモード)を提供するイメージセンサになります。このHDRイメージセンサは画像が出ますので情報量は多いままです。差分をとると大幅に情報量が減ります。この隣接画素差分で静止画を削除(出力をゼロに)するためには、露光時間が異なりますので、一般的には画素の出力を揃えるためにゲイン調整が必要です。しかし露光時間見合いで感度が異なる画素を使うと、ゲイン調整が不要になり(上側の特許図面参照)、CCDイメージセンサのCDS回路(差分回路)がそのまま使えます。
この画が出ないセンサをイメージセンサと呼ぶかは疑問符が付きますが、加算機能を追加するだけでHDRイメージセンサになることと、イメージから必要な情報のみを抽出するセンサですので、やはり広義のイメージセンサになります。現役時代に画が出る(狭義の)イメージセンサしか作ってこなかった大いなる反省の基に、定年退職後(老後?)は広義のイメージセンサを提唱しています。この広義のイメージセンサを活用することで、伝送速度改善だけでなく、伝送情報量を削減することで、データ量増大;90倍(@2010→2025)に寄与できればと夢見ています。
因みにスロベキア語で「vidia」は「見る」という意味が有るそうで、否定形の「non」はスロベキア語では「nie」だそうです。「見てない」は「nie-vidia」となり「NVIDIA」と略せますね。(膨大な画像情報と格闘しているので)これを意識して社名を付けた訳ではないでしょうが?。見てないセンサがあれば、社名に因んで面白い応用を考えてくれそう。(でも情報が少なすぎて活躍の場がないか?)