技術
農業従事者の高齢化及び従事者人数の減少の社会課題の解決を目指して、地に足を付けない農業を目指した農業用ロボットを提案し、特許登録(特許第6931756号、特許第6985770号)されました。
農業用無人ロボットは下町ロケット(ヤタガラス編)の様にGPSを用いた無人トラクターをイメージしますが、農地に足(タイヤ)を接触することなく駆動します。地に足を付けないというとドローンを連想しますが、ドローンは飛行時間に制約が有りますし、落下の懸念もあります。また散布する農薬が風の影響を受け周囲にも飛び散るとか、きめ細やかな農作業が出来ません。
構成は農地に立てた支柱上にパイプ状のレールを敷設し、このレールに沿ってロボットが移動し農作物を上方から操作(農作業)します(農作物の生育上、上方の空間が広い)。作業ツールを換えることで様々な農作業(植え付け、施肥、散水、剪定、消毒、収穫)に対応できます。また、農地上をタイヤが走りませんので、農作物の育成に必要な最小の間隔(根が張る直径?)で高効率植栽ができます。究極は最稠密配置(着想から出願迄の期間が長く、この間に先願(特許第6243497号)が出ていた)となり、収穫量が15%アップします。通常は株間=1.5×条間となっていますが(人が入る or タイヤを通す為?)、株間=条間となると(農地に足を踏み入れることは出来なくなるが)収量が1.5倍になり、この高効率植栽で農業の低生産性の解消が期待されます。
上方から農作業をしますので、レールの下にも農作物の育成が可能です(従来、農地にレールを敷設すると、レール部分には農作物の植栽が出来ません)。また足を踏み入れませんので農地面は水平を保つ必要が無く、作業ツールの長さを斜面に合わせることで、斜面に沿って直接植栽が出来ます。これは農業用候補地の選択肢拡大に繋がり、日本の様に平坦地の少ない国土には向いているのではと考えています。これらは低生産性対策にも役立ちますネ。
農業用ロボットの動力源としては、今後不要になる住宅用太陽光パネルの再利用も考えられます。複数の農業従事者の畑を(道路を跨いで)レールで繋げば、次の畑へ自動的に移動して行くので、共同所有で十分ですね。昨今の原油価格高騰で農業用機械の燃料代が馬鹿になりませんが、中古ソーラーパネル活用では燃料費が不要になり低生産性対策になり、今流行りの持続可能性が高くなります。
更に共同所有は視点を変えて農作業の時期の違いから、広域(九州→中国→近畿)にすることも考えられ、この場合には作業ツールのみ地域で保有すれば良いですね。更に低生産性対策になるか。
弊社の提案アイテムはAI(Anti Imaging ,Auto Isolation)とAIに纏められる指摘をしておりますが、農業用ロボットも文字通り”Agriculture Instruments”と、頭文字がAIに揃えられますネ!。
現行の農業は農地に足(人の足orタイヤ)を踏み入れて農作物を目視し農作業を行う、地に足を付けて農作物を育成します。本提案は、農地に接触するのは支柱だけで足を踏み入れません。
農業ロボットの移動を支えるレール(パイプ)は散水や温風の運搬手段としても活用でき、生産性が向上します(スプリンクラーの配管の様に地中に敷設する必要が有りません)。レール上を移動するので、接触面積が少ないため摩擦が少なく省エネになることでも生産性が向上します。またタイヤからの菌の侵入も予防できます。また、何列目のレールで、レール端からタイヤが何回転目で、作業ツールの位置が農業ロボット端から何cmという様に、広い農場でもピンポイントで農作物の位置が特定でき、カメラでモニターしながら個々の棒作物に対し、AIが判断しながら農作業(例えばピンポイント消毒)をして行きますので、収穫時にソーティングすることで、同じ畑内でも農薬・無農薬の区別が出来ます(ドローンでは無理)。農薬を撒くと農作物が低付加価値となってしまいますが、ピンポイント消毒では、収穫時にソーティングすることで無農薬農作物が得られ、高付加価値を付けることが可能です。
日本では、農業従事者の高年齢化により後継者問題が深刻になり、耕作放棄地の拡大と農業自給率の低下が問題となっています。本提案の自走・AI化された農業用ロボットで後継者不足対策を行いたいと思います。更に本農業用ロボットは作業ツールに敷設したカメラで農作物を画像判定し、作業ツールで個々の農作物に農作業(剪定、ピンポイント消毒、散水、収穫)を行っていきますので、最初のAIのティーチングが非常に重要となります。この方法として、カメラ画像で撮影した各農作物の画像をベテラン農夫(畑に入る体力が無くても)が見て、今までの経験を活かし、遠隔で操作することでティーチングを行い、AI農業ロボットにバージョンアップ出来れば生産性が向上する以外に、5年で23%の割合で減少している農業従事者の高齢化対策になるのでは?と期待しています。農業従事者の高齢化と共に、後継者問題が注目されていますが、農業後継者はAIが担うかもしれませんネ。
日本は食料自給率がカロリーベースで37%(R2年度)に留まっており、農水省はR12年度に45%に高める目標を掲げていますが、本提案の農業用ロボットが少しでも貢献できればと思っています。 最近、大豆を用いた代替肉の話題を目にすることが多くなりましたが、大豆の生育に適したAI農業ロボットで農畜産業業の後継者課題の解決に繋がるかもしれません。
農業ロボットの移動を支える支柱とレール(パイプ)は散水や温風の運搬手段としても活用できますが、支柱とレールの他の活用としては、農作物の育成に適した環境を構築するための農業に必要な構造物を保持する手段にもなります。農地に人が入れません(足の踏み場が無い)ので、この構造物の敷設は農業用ロボットが行います(特許第6985770号)。
農業に必要な構造物とは、温湿度、雨水量を管理するためのビニールシートや、防虫、防鳥、防獣用のネットや、風水害を防止するための防水シート、防風壁や、必要な波長を取り込むための光学フィルムが該当します。地球温暖化の進行と共に異常気象が頻発し、農作物の生育不良が懸念されます。シートで密閉空間(簡易的な温室)を作り、レールから出てくる温調用の空気や散水で、農作物の育成環境の維持が図れます。また台風被害や豪雨被害の防止も図れます。このように構造物で農作物育成の環境管理を行い、異常気象対策に繋がります。また閉空間なので、温湿度管理や気体ガス濃度比の管理をし、農作物の収量とのビックデータ管理で最適生育条件を微調整することで、生産高(収量)のビックリデータ?化を図り、農業の低生産性の解消にも繋がります。
光学フィルムとして日照管理とソーラーパネル(フィルム状パネル)による発電の掛け持ちが出来たら、農地が再生エネルギー供給場所としても活用できます。フィルムパネル状のものとしては、ペロブスカイト太陽電池があるそうで、塗布で連続生産可能だそうです。ストライプ状に塗布し日照と発電を兼用し、日本の農地430万haがソーラーの候補地に化けたら面白いですね。CO2削減にもなって、大元の異常気象対策にもなりますね。今流行りのSDG'sにも合致!‥ますます夢が膨らみます。
また人が入らないので棚田(段々畑)にする必要が無く、斜面に沿って直接植栽が出来ますので、斜面農地がそのままソーラーパネルの敷設場所(20~30度が最適だそうです)となります。これは農耕地の面積が拡大して低生産性解消にも役立ちます。
画が出ないカメラ、センサのコンセプトです。このコア技術は①センサorカメラ内部で動きを検知する、②動きが無ければ画を出さない、③動きが無ければ自身、後段システムをOFFする。ことです。
この機能をカメラ自体、若しくはイメージセンサ自体に持たせます。このカメラ、センサは別名SEカメラ、SEセンサと呼びます。SEとは”静止画を消す”の英語名;Still image Eraseから取り、背景の静止画を消して動きの輪郭だけをハンドリングする意味合いで命名しました。
SEセンサでは、従来のセンサ機能以外に、画素ブロックごとに処理し動き判定をセンサ内部で行い、動きが無ければセンサから画像出力をOFFし、後段システムOFF信号を出します。動きがあれば画像出力を出しても良いですし、動きベクトルを出しても良いです。
未だSEセンサは出来ておらず、SEカメラはNEDO補助金で試作しました。このSEカメラの特長は①見る側、見られる側の低ストレス、②電力、情報量の削減、があり、SEセンサでは更に③サイズ、コストの小型化があります。
SEカメラを設置した現場での声を反映し、音声アラーム機能、画像拡大機能を追加しました。これは従来のSEカメラの、”指定領域で動きがあった場合のみ指定枚数の静止画が指定時間間隔でPCに飛んできて、カメラIDと撮影時刻とともに表示される。”という機能に加え、現場からのご要望が高かった、①画面をクリックしなくても最新画像を拡大表示する。②画像が飛んできた場合にカメラIDと対応した音で知らせる。③音は吹き込んだ音声ファイルとリンクできる。という機能を追加しました。
これにより、例えば”10号室関根さん”と吹き込んだ音声ファイルと紐付けしておくと、10号室のドア付近で動きが有った時に”10号室関根さん”という音声メッセージが流れます。PCとして2in1PCを用い、モニター画面がタブレットとして使えると、このタブレットを持ち歩いていると、動きがあった際に音声が流れ最新の状況が拡大画像で表示されます。これで新人の介護士の方でも、カメラに紐付けられた音色を記憶することなく、アラームメッセージに従って行動すれば良いので、介護現場の低ストレスになりますね。
‥この開発には藤沢市のロボット産業推進事業補助金を活用させて頂き、実績報告をいたしました。
1. 実証実験の目的
特定領域での動きを検知し、複数枚の静止画を撮影します。複数 台のカメラを連携させることで、移動ルートをリアルタイムに把握 することが可能か確認します。高齢化社会で増加が予想される徘徊高齢 者等の見守りや、不審者のリアルタイム移動ルートの把握に寄与し、 安心安全な社会の実現に貢献します。
2. 実証実験の概要
プレ実証フィールド内に5台のカメラを設置。各カメラに動き検 知領域を設定(図1はカメラ1、2の例)し、領域内で動き検知した以降、 数コマの静止画を1~数秒間隔で表示。各カメラで特定の場所の 移動ルートを把握し、情報を連携させ、校舎に入ってからの動きを トレースできるか、また、どの程度の情報量でトレースが可能かを 確認しました。
[日 程] 令和元年12月17日(火) [場 所] 「さがみロボット産業特区」プレ実証フィールド(元県立新磯高 等学校)
3. 検証結果
校舎内の100秒間の動きを5台のカメラの計35枚の静止画でモ ニターし、全情報量は1MBとスマホの静止画1枚(6MB)よりも少 ないことを確認しました(図2)。スマホ動画では100秒間では5台合計 で750MBとなり、本方式では約3桁少ない情報量でリアルタイム の動き追跡が可能となります。現状の膨大な画像情報から探すことな く現在位置が把握でき、今後の高齢化社会の進行に伴う、高齢者 等の見守りにも役立つことが期待されます。
遮光筐体に格納された試作カメラです。無線Wifiにて画像がモニターできます。マイクロUSB電源差込口は2箇所有ります。バッテリー駆動の際に2つのバッテリーと連結し、バッテリー交換時に電源が切れません。マイクロSDスロットが反対側に有りますが、カメラの駆動条件設定をマイクロSDカードで行います。全面には夜間照明用の赤外LEDランプが付いています。1灯~4灯まで発光することが出来ます。またLEDの点灯時刻、消灯時刻を設定できます。
SEカメラ(居眠りカメラ)のコンセプトです。SleepとWake Upを繰り返します。
Wake Up時に動きを検知したらWifi立ち上げに移行し、静止画を送信します。
Sleep時にはセンサ、CPUがSleepなので動き検知できません。
その際の消費電力のイメージ図です。省エネが実現します。
従来SEカメラは動き検知時の(トリガー)画像は1枚だけで、Wifi立ち上げ後の画像を順次指定枚数だけ送信するモードでしたが、”動きトリガー後の画像を増やして欲しい”とのお客様のご要望に対応し、動きトリガー後の画像を増やす(Max8枚)改造を行いました。
図では動き検知(00秒)後、1秒間隔で合計8枚の静止画像を取得送信しPCに表示させたケースを示します。今回SEカメラはインターネットに繋いであり日時がタイムスタンプされています。このため電波目覚まし時計の日時とPC画面上のTimeは一致しています。Thumbnail画像をクリックすると拡大され、00秒でトリガーが掛かり(Serial No.00)、以下順次01秒(No.01)、02秒(No.02)~07秒(No.07)の画像を受信していること、が分かります。
SEカメラ内部に保存されたトリガー以降の一連の画像はWifiが立ち上がった以降順次出力されますが、画像が出た後は、指定秒数間隔の指定枚数の静止画をリアルタイムで出力し、一旦指定秒数のSleep期間を経て、再び動き検知モードとSleepモードを繰り返します。静止画で動画は扱いませんので情報量が大幅に減ります。単に撮るだけの膨大な画像情報(Big Useless Data)から、必要なタイミングで必要情報を出すSmall Useful Data 化を目指したいと思います。
Sleep=ゼロでは常にWifiが立ち上がったモード(省エネにはなりませんが、Wifiの立ち上がり時間待たないモード)になります。
一方、動き検出期間を長時間に設定すると、Wifiは立ち上がっていませんが、ほぼ常時動き検知している(Sleep=ゼロに近い省エネ)モードになります。
図ではカメラは1台だけ(CAM1)ですが、複数台カメラ(CAM1、CAM2…)を同じインターネットに繋げると、順次時系列的に出力されます。
複数のSEカメラを連携させたす動体追跡イメージです(写真では2台で各3枚に設定したケース)。
緑の設定領域で動きがあった時をトリガーにして、5秒間隔で3コマの静止画を出力しています。
Net経由で室外でモニターし、2台のカメラの5秒間隔の3コマの静止画像がタイムスタンパー付きで出力されます。
Netに接続された複数のカメラから連携された静止画像が出てくることにより、動体の現在位置が分かります。
例えばドアが空いてからの入居者の移動ルートをカメラを連携して追跡することが出来ます。
SEカメラは情報量が少ないが故に複数カメラの連携が出来ます。これを街灯カメラに応用した例を図面を用いて説明します。街灯カメラでは特定領域(道路や歩道)での動きがあった時だけ静止画を複数枚、SEカメラから送信します。複数の街灯SEカメラがネット環境に接続されていれば、SEカメラから送信された静止画像は、同じくこのネット環境に繋がっている記録装置に蓄積されます。特定領域で動きがあった場合のみトリガーがかかり、動画でなく複数枚の静止画で保存されるので、情報量が少なくなります。撮りっぱなしの動画監視に比べ情報活用率は飛躍的に上がります。
空き巣が侵入した場合、”達磨さん転んだ”を空き巣がやらない限り、居眠りカメラと称されるSEカメラでも空き巣の作業時間?のどこかで動きを検知し、作業風景?をスマホに飛ばします。飛んできた画像を見て不審者だと判断した場合には、作業?画像と共に、住所、逃走時刻を警察に転送します。
警察は住所に該当する街灯SEカメラの静止画像情報が蓄積されている記録装置にアクセスし、対応する時刻帯の静止画データを引き上げます。その中から空き巣を特定し、移動方向から該当する時刻、場所の街灯SEカメラの静止画情報を引き上げて繋いで(カメラ連携)いきます。ネット環境内ですと同じ記録装置の画像を繋いでいけばよいですが、そこから外れたら逃走方向の隣のネット環境の記録装置にアクセスすることにより、広範囲な逃走ルートをカバーします。繋げて行く速度は空き巣の逃走スピードよりも速い筈ですから、容疑者の現在位置がパトカーのカーナビに表示されます。これによりパトカーが出動すると現行犯逮捕できる確率が上がり(犯行写真で観念させ、数分前のアリバイチェックをすれば良い)、現在の犯罪検挙率(30%=39万/132万件@H25)の改善を期待しています。
ポイントは警察は個々のSEカメラをアクセスすることなく、複数のSEカメラが繋がっているネット環境下の記録装置をアクセスすることで、複数SEカメラの動き静止画情報を時系列的に取得することが出来る点です。SEカメラには画像を保存する必要がなく、定期的に画像データをダウンロードする必要がなくなります。このSEカメラ連携は今後の高齢化社会で増えるであろう徘徊老人の捜索にも役立つことを期待しています。
'18年には警察(富田林署)の取調室から容疑者が逃亡し、日本一周!の途中で逮捕されるという”とんだ話”が発生しましたが、上記SEカメラネットワークで、逃亡中の現在位置を把握し”捕った話”にしたいと思います。 ”とんだばやし”→”とんだはなし”→”とったはなし”
また、上述したSEカメラ方式で現状3割の犯罪検挙率が改善し、例えば7割を超えたら犯罪抑止効果が高まり、安心安全な社会の実現が出来るのでは?‥と夢は膨らみます!
SEカメラによる夜間モニターの画像です。蛍光灯をOFFすると真っ暗になります。ここでLED点灯が始まると、白黒画像でモニター出来ます。
施設での消灯時刻に合わせて、LED点灯の時刻を設定すると、真っ暗になっても赤外モニターし、特定領域(例えば非常口付近)での動き検知をします。
この照明用赤外光は可視域外なので、人の目には見えません。SEカメラの赤外カットフィルターは可視域とこのLEDの発光波長帯域をパスするデュアルバンドフィルターです。
SEカメラからはルーター経由でPCに画像が飛んできます。
PCでの表示画面としては、どのカメラの画像であるか(Camera ID)と、何時の画像であるか(インターネットに繋いでおくと日時がタイムスタンプされます)と、Serial No.で、動き検知の画像とその後の画像が表示されます。カメラ画像をクリックすると画像が拡大されます。
00秒(分の表示が変わるタイミング)で動きトリガがかかります。動きトリガ-後、所定間隔で所定枚数だけ内部メモリーに一時取り込み、Wifiが立ち上がったら、この動きトリガー以降の複数の静止画を順次送信されます。
目覚まし時計の背景で手を動かしても、動き検知領域ではありませんので、動きトリガ-が掛かりません!。必要な情報のみを送付し情報量を削減します。
SEカメラは画面を192分割(16×12)に分割し、任意のブロックでの動き検知を行うことが出来ます。
図面では分の表示の一桁台の上のブロック(目覚まし時計の写真で緑枠内)だけの、動き検知を行っています。
ここでの数字の変化を見てみますと、2→3、5→6、8→9ではこのブロックでの変化はありません。
実際の結果も42分→43分、45分→46分、48分→49分の変化時点では動き検知をせず、画像を飛ばしていません。
他の変化は00秒に起こりますので、40分、41分、42分、44分、45分、47分、48分、50分の変化時点(00秒)での、動きトリガー画像と、その後の指定枚数の画像と共に、画像がPCへ飛んできています。
Camera1のみのケースで表示しましたが、Camera2,3‥でも同様でPC上の表示としては、時系列的に表示が並びます。
このように特定領域で動きがあった場合のみ画像を飛ばすことが可能(常には画が出ない)となり、プライバシーに配慮した動き検知が出来て、低ストレスになります。また必要な情報のみ送付しますので、情報量が削減され、省エネになります。
SEカメラ(居眠りカメラ)の低消費電力化の概念図と、システムシーケンスです。
SEカメラ(居眠りカメラ)では、低消費電力化を目的に、Sleep(居眠り)、Wake-Up(覚醒)を繰り返します。
Sleep時はImage Sensor、CPUを共にスタンバイ状態にし、
Wake-Up時にはどちらもONにします。
Wake-Up時に動きを検知すると、Wifiを立ち上げるモードに移行します。
Wifiが立ち上がったら、最初に動きのトリガーが掛かった画像(必要情報)+指定間隔(必要間隔)で所定枚数の複数静止画像(情報量少)を送信します。
ここでルーターがインターネットに繋がっていると日時がタイムスタンプされます。必要な時だけ、立ち上げて必要な情報を送付しますので、電力削減になります。
本SEカメラでは都度画像送信しますので、定期的にカメラより画像をダウンロードしに行く必要がありません。
Sleep期間を0秒に設定すると、Wifiは常に立ち上がった状態になります。即ち、動きがあった際に、都度時間の遅延なく、Wifi経由で送られてきます。
Sleep期間を十分長く設定すると、Wifiは立ち上がっていない状態で常に動きの検知をするモードになります。
”見えるカメラ”とは、(昼も夜も綺麗に)見えるカメラ(イメージセンサ)”のことで、未だ物は有りません。現在のカラーカメラでは人間の視感度に合わせるために赤外カットフィルターを挿入しますが、夜間では赤外光が主体になる為、これが邪魔になります。即ち夜盲症(鳥目)になります。また赤外カットフィルターを外すと夜間の感度は上がりますが色味(色再現性)が悪くなります。このように夜間の感度と色再現性は、表に示したようにトレードオフ関係にあります。
見えるカメラ(イメージセンサ)は赤外カットフィルターがなくても色再現性が良く、昼でも夜でも綺麗に見えるカメラになります。”見えるカメラ”とは”鳥目対策の目”で、この目(イメージセンサ)を用い”鳥の目”を構成しますと、”鳥目対策の鳥の目”となり、少々ややこしいネーミングの関係になります。夜間や昼間の徘徊者や逃走犯の追跡に活用できます。
見えるカメラはイメージセンサに特徴が有ります。そのイメージセンサの構造としては現在主流になってきている裏面照射型イメージセンサ(BSI)構造で、上図に示したように入射光を光電変換するフォトダイオード(PD)を、可視光用PD(PD1)と、赤外光用PD(PD2)として同一画素位置に上下に積層した構造です。
裏面から入射光が入る構造を利用して、PD間の電荷転送(パンチスルー転送)を制御する転送ゲートを入射側とは逆側の配線側に設置します(BSI構造が故に設置できます)。これにより、配線側のPD2で発生した赤外光信号成分の電荷読み出し直後に、入射光側のPD1で発生した可視光信号成分の電荷を、パンチスルー転送で配線側のPD2へ転送し同じ出力回路で読み出すことで、赤外光成分⇒可視光成分の順に読み出しが行われます。両者の差分から可視光の信号が取得できることをシミュレーションで確認しました。
これは昼でも夜でも綺麗に見えるカメラになり、高齢者の徘徊や犯罪者の追跡(検挙率アップ)に役立ちます。
本知財は、国内登録に引き続き、神奈川県の”中小企業知的財産活動支援事業費補助金”を活用し、'18.6.26に米国で登録(US10008521)されました。
蛇足ですが、
米国登録特許の9,999,999番目は2018.6.19に発行予定で、10,000,000番目が誰の手に落ちるかで盛り上がっていたようです!
http://tokkyokyougaku.blog.fc2.com/blog-entry-313.html
登録日が2018.6.26でしたので丁度1週間違いでしたが、僅か1週間で8500件も登録された!(10,000,000番目を狙った申請が多かった?)。因みに1,000,000番目は1911年8月だったそうで、107年ぶりだったようですが、そこで1週間は非常に惜しい!。アメリカ特許の登録番号にまつわる都市伝説として、「昔から、こういうキリのいい番号は、USPTOが『歴史に残るような良い発明』を割り当てる」そうなので、近場だったとしても無理だったか?
10,000,000以降は登録証のデザインを変えたそうなので、3月のUSP登録証と6月のUSP登録証のデザインが違うのは、こうした背景があったようです!今時点で、新旧のデザインの米国特許を所有しているベンチャーは、かなり珍しいのでは?
画にならないカメラ(健康便座)の紹介をします。これは”大便色検知装置”として特許第5861977号にて登録されています。
図に示すように便座と便器の間に、光源とリニアイメージセンサで構成された便座カメラを複数台設置し、大便表面の色を全周にわたって観察します。
トイレに座ると便器内は暗くなりますので、便の照明光として発光波長の異なるLEDを順次点灯することで、簡便に便表面のスペクトル解析をすることが出来て、便表面にある潜血部を早期に見つけようという試みです。
現在、日本人の3人に1人は癌で亡くなり、部位別で大腸癌は男性の3位、女性の1位になり、年間5.1万人(交通事故死亡者数の14倍!)も亡くなり、医療費も5500億円も掛かっています。
5年生存率はStageⅠ→Ⅱ→Ⅲ→Ⅳで、99→91→82→18%と早期発見が非常に重要です。現状の便潜血検査では苦労して乾燥状態でサンプリングし、便表面を擦って採取しても、便裏面に潜血部があったら分からないために、初期癌の見落とし率が高く問題になっています。
こうした現状を打破するために、日常的に全周の便の色を観察することで、大腸癌の早期発見に少しでも役に立てれば(医療費削減)と試作カメラでの検証を行っています。
画素が1列にしか並んでいないリニアイメージセンサでは便器上部の1ラインしか撮像しないので、お尻は”画になりません”。取れる情報は、このラインを通過する移動物体である大便からの、各波長のLED照明時の反射強度に対応したセンサ出力です。これは数値データで、波長の反射強度比でハンドリングし、画像データはハンドリングせず抵抗感をなくします。
また現状の便潜血検査では、採取したキットを室温に保管すると、腸内細菌が血液を分解してしまい、検知精度が夏場は悪くなるという情報がTVで放映されていました(それ以来健康診断で採取したキットは冷蔵庫に保管!)。落下後の液体内でなく、出たてのホヤホヤを、全周方向からデータ取得できることも本方式のメリットと考えています。
健康便座のプレゼン資料の最後につけているメッセージの評判が良いので、ご紹介します。
世界で初めて人口雪の結晶製作に成功(1936年)した北大の(故)中谷宇吉郎先生(寺田寅彦門下生)が”雪は天からの手紙”というエッセイを出されています。”雪の結晶形状から上空の状態が分かる”ことから付けられたネーミングです。
これにあやかり?”大便は消化器からの手紙!(大きな便り)”と期待しています。”読まずに流すのは勿体無い!”ので、出たてのホヤホヤ状態を毎回健康便座でメッセージ解読できたら!と思っています。
データが積み上がりビックデータ解析で傾向把握が可能となった暁には、傾向管理で発病前にアラーム(未病)が上がり、自己責任で市販薬を服用するか休養取得することで、早期発見や未病対策に繋ぎ、2025年問題の医療費58兆円(52兆円という数字もある)の削減に寄与できれば!?‥と夢は拡がります。
2025年問題とは、段階の世代(S47~49年生まれ800万人)が後期高齢者(75歳以上)になることです。この時の2つの課題は”高齢化社会の進行”、”医療費の増大”です。65歳以上が人口の1/3で、医療費(58兆円)の6割を占めるまでになります。
高齢化社会の進行には低ストレスな見守りとHuman-Machine-Interfaceが重要になると考えています。また医療費の増大に対しては”健康長寿の体力維持、リハビリが重要で、これらには”画が出ないカメラ・センサ”、”見えないカメラ”が寄与します。
また医療費の増大の抑制には造早期発見、早期治療が重要で、"画にならないカメラ;健康便座” で寄与させることを目論見ます。
このコンセプトはNEDO SUI Dream Pitch (H29.3.16 NEDO Incubation Center)にてプレゼンした資料のまとめで発表しました。
第26回 「都市高齢者の健康長寿医療研究会」 (H29.4.13@東京都健康長寿医療センター)でのプレゼン資料からの抜粋(まとめ)です。健康長寿との相性の良さが期待されます。
健康長寿には”寿命の延長”、”健康体力維持”、”心の安らぎ”の3つが重要で、それらに対して ”画にならないカメラ” と "画が出ないカメラ” が貢献できる可能性についてプレゼンしました。
寿命の延長には早期発見、早期治療で”画にならないカメラ;健康便座”が寄与し、健康体力維持には体力維持、リハビリで、”画が出ないカメラ・センサ”の動きベクトル機能を活用し、スポーツゲームやゲームリハビリで寄与させ、心の安らぎは、ストレスフリーな見守り、安心安全な社会で、”画が出ないカメラ”、”見えないカメラ・センサ”で低ストレスな見守り、犯罪検挙率アップで犯罪抑止効果を寄与する。ことを目論んでいます。
Innovation Japan 2018 (@Tokyo Big Sight) Exhibition Panel (2)